2002年以降これまで合計で約3万5千人を対象に我々が独自に行ってきた健康調査です。新築の高断熱高気密住宅に引っ越した人を対象としており、回答者の中心は、30代~40代の働き盛り世代とその子ども世代である10代までの男女です。
気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎、関節炎、アレルギー性鼻炎など15の諸症状について、引っ越し後の変化を尋ねたこの調査では、大半の症状に明らかな改善が見られます。特に省エネ等級4以上など、より断熱性の高い住宅へ引っ越した人ほど改善率が高くなっています。せきやのどの痛み、手足の冷えなどに限らず、アトピー性皮膚炎など肌の悩みについても高断熱高気密住宅への引っ越しで改善が見られるというのは、注目すべき点でしょう。これは住まいが暖かくなることで身につける衣類の量が減るからではないかと考えられています。
人間の皮膚が衣類から受けるストレスは想像以上に大きく、化学繊維やウール、ゴムなど肌を刺激しやすい衣類を多く身につければ当然ながら肌への負担は増します。着衣量が減ることでアトピーの引き金となる衣類からの刺激を小さくすることができます。
「断熱を高めると健康になる」という裏付けの資料です、手すりや段差解消と共に考えたい事です
(出典 近畿大学 岩前 篤教授)