月次アーカイブ: 4月 2015

「壁の向こうの構造を知らずして、住宅改修のアドバイスをするのは、解剖学を知らずににリハビリをするようなものだ」

2012年12月、全国でははじめての試みであろう、「住宅解剖論12.19」を、作業療法士で二級建築士の久保田氏の発案で、伊東と共に開催しました。

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この企画に参加してくれた方々の多くは、普段病院などで活躍している作業療法士や理学療法士のセラピスト達であります、普段の業務においても、病院でリハビリを終え、住み慣れた在宅での生活を向かえる患者様に、自宅での手すりの設置の指導、排泄や入浴動作のアドバイスからやベッドの位置や向きなど、在宅生活には欠かせない助言など行うなど、彼らの大事な仕事の一つです。

住宅解剖論では、午前中は久保田氏による「建築とリハの先にあるもの」と、伊東の「これまでの実務経験やバリアフリーの考え方」の座学です、午後は実際に壁に見立てた模擬壁に手すりを設置する実技です、はじめてドリルを手にしたり、のこぎりを使ってみたりと未経験の事ばかり、でも参加者皆さんは熱心に楽しく受講されています。

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午前中の座学です。

 

慣れない手つきでのこぎりを使っています(^:^)

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今日はじめて電動ドリルをもちました。

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楽しそうに手すりを付けています

この住宅解剖論基礎編は、これまで6回開催しています、この基礎編を受講された後は、実際の解体直前のお宅を借りて行う「初級編」と、実際の解体現場で事例から改修計画及び福祉用具までをプランニングする「中級編」も行っています、今年も基礎編は予定しています、改めてご案内致しますので多くの皆様のご参加をお待ちしています

(協力企業 甲斐市の介護センター花岡様)

 

「いつまでも、あなたを守る家をつくる」

豊富な知識と経験を活かして

山梨で最適な介護リフォームを追求しています

http://www.介護リフォーム.com

山梨県甲府市国母2-4-1

TEL 055-228-8191

浴室では、手すり1本付けるにも、ご本人の身体状況や、残存能力、また介護力などを勘案して設置しますが、それぞれの家の実情(浴室状況)に合わせたものが求められます。

玄関や廊下、トイレに設置する手すりとは違い、浴室の手すり設置においては洗体動作、浴槽への出入り動作のプロセスなど、狭い空間だから検討する課題は沢山あります、一般に浴室への手すり設置内容を決定するには時間がかかるものです、入浴動作は冒頭お話しした身体状況や残存能力、介護力、或はシャワー椅子の使用の可否によって設置する内容が変わってきます。

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写真は浴室へ設置した「特注手すり」です、TOTOさんで製作してくれます、どうしてもこの位置にといった要望に対し、建築で可能な事を検討しなくてはいけません。

たかが手すり1本でと思われるかもしれませんが、人の手を借りず、1本で本人が出来る事は沢山あります。

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60歳男性です、交通事故により下肢全廃となりました、数ヶ月の入院を経て、いよいよ自宅へ帰るという時に、病院からの改修工事の依頼でした、家ではベッド上の生活です。

ご本人や家族の希望は、自宅の居間にで3モーターベットを使って生活したい、入浴も家で入りたいというものでした、主介護者は奥様です。

建物を見させて頂きました、築40年と古いばかりか、水回りも老朽化しており、全体的な補強も必要であり、安心安全な生活空間形成には「福祉用具の利用と建築」の両面と「人的支援」からの検討が必要である事が判断されました。

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写真は既存の浴室です、手前に脱衣室もなく寒い空間です、入り口も木製建具です。

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1坪サイズ(1616)のユニットバスです、洗い場カウンターのない(少しでも広く使える)クリナップのユニットを提案しました、また本人の浴槽へ浸かりたいという希望を叶えるために、家族でも安心して使えるリフトと、分離型のシャワー椅子をお進めしました。

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このシャワー椅子は、車輪部分と椅子部分が切り離されます、椅子部分だけをベルトで吊って浴槽へ入れます(写真はその数年後に新築したときの写真です)ベッドからはスリングシートで体を吊り上げ、そのままシャワー椅子で浴室へ移動します、入り口も引き戸として、最大限の開口巾(700mm)を確保しました。

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改修工事とは言え、人間を吊ります、リフトの壁へのアンカー固定も必須です、建築で出来る事はここまでです、安心した入浴は、訪問看護師さんやヘルパーさんなどの「人的支援」も欠かせません。

リフトは(株)モリトーつるべと安楽キャリーです。

これでまたひとつみんなの笑顔が増えました。

 

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家の出入りは玄関からというのが「一般的」ですが、段差がきつかったり、狭かったりなどの事情から別な場所からの出入りを余儀なくしている方も沢山いらっしゃいます。

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上の写真は、それまで駐車場から近いという理由から、直接寝室へ出入りしようと試みようとして、土を盛ってスロープとして使っていました、不安定に見えますが、ご本人はこれでなんとか出入りを続けていました、今回病院からの相談で、もっと安全に出入りできる方法で、しかも介護保険が適用出来るようにしてほしいというご内容でした。

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まずスペースは確保出来るので、土間コンを打設し、その上にイレクターで特注した手すり付きの階段を設置しました、一段の蹴上げ(高さ)は110mm、踏み面(巾)を300mmとした緩やかな階段です、更に両側へ手すりを設置しました、土間コンへアンカー固定をしまして介護保険が適用となります。

これでご本人も家族も安心した出入りが可能となりました。

 

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昭和町立常永小学校のスロープ工事です、「低学年の生徒さんが、自走式車いすでスムーズに昇降出来るように」というご相談でした。

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先生方から本人の状況を聞いたり、本人の生活ぶりを見ると共に、現場の昇降口の状況から判断したところ、昇降に必要なスロープ長さや巾などは十分に確保できる事が分かりました。

スロープ巾は、有効で1.000mmとし、スロープ長さは6.000mm、上り口位置が高いため高低差は300mmと、ゆったりとした1/20勾配で計画することが出来ました。

工事開始です、インターロッキングを撤去するところから始まります。

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横から見ると、なだらかなスロープです。

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下から見るとこんな状況です、手すりは高さ600mmで設置しました、これは転落防止柵です。

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完成しました、本人や教育委員会の検査も終了です、ばっちり使えています。

浴室やトイレに設置する立ち上がり動作を補助する手すりや、廊下など移動のための長い手すりや屋外アプローチ手すりなど、様々な機能のある手すりがあります。

こうした手すり工事において、階段手すりなど、不連続な形状の手すり工事を除き、設置工事は基本的に一人で行います。

当然ですが、手すりは垂直だったり水平にしかも正確に取り付けなくてないけません、従来は水平器などが使われる事が一般的ですが、左手で持ちながら右手でインパクトドリルでの作業は少々困難となる事があります。

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これだと、不安定ばかりか水平器が床に落ちてしまうこともあり、作業性は劣ってしまいます。

そこで、最近登場したのがこれ

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グリップ式水平器です、その名も「ガブリ」だそうで、これなら作業性も高まるばかりか、両手だけあれば正確に施工する事が出来ます。

介護保険を使った住宅改修工事の多くは(ほとんどが)必ずといって良いほど「手すり工事」は必須です、正しい施工が望まれます。

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今日は心も体も温まる浴室についてお話します。

我が国の主要な死因は、悪性腫瘍、心疾患、脳血管障害、高齢者では肺炎がこれに続き、交通事故や入浴中に起こった心・脳疾患の発作や溺死など不慮の事故などによるものが第5位となります。
高齢者の入浴行為においては気温、室温、湯温などの温度や水圧の影響を受けて心・血管反応や発作が起こり、意識障害が現れ、そのため溺死事故も発生するため注意が必要です。

しかし入浴は体を温める事やリラックスして入浴を楽しむ事で、心身共に良い影響を与えます。

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写真は改修前と完成写真です、既存の浴槽は900mm×700mmで深さもある和式浴槽です、跨いで入るにも、足腰に負担もかかるばかりか、タイル貼りで冷たく狭くて、介助入浴や入浴椅子などは使えない、昭和40年代に作られた浴室の典型です。

最近では浴槽縁も出入り用に掴まりやすい様巾も狭く、低く設計してある物や、タッチスイッチで快適なシャワーカラン、雨の日に洗濯物も干せる天井埋込型の換気暖房乾燥機、お湯の温度が冷めないように工夫された断熱機能を持たせ手すりも付き、予め工場生産された合理的なユニットバスも数多くのメーカーから出されています。

一般に日本人は風呂好きな国民で、しかも熱めのお湯を好む傾向にあると言われます、特にこの寒い時期に冷えた体をゆっくり温める事は一日の疲れを癒し心身をリフレッシュするのに最高の方法です。

ちょっとした工夫や注意でこうした家庭内事故を防ぎたいものです。

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階段は唯一「段差解消」が出来ない所ですが、家の中でも転落でもすれば大変な事故になる場所の一つです、多くの高齢者が住む家では、物が増え更に整理が出来ていないために障害となっているケースが数多くあります。

階段の形状にはいくつかの形があり、それぞれ使い勝手が異なります、一般に一番安全と言われるのが踊り場をしっかりとしたスペースをとれる形状がおすすめです、これは下までの転落を防止するために考えられています、また蹴上げ(一段の高さ)や踏み面にもゆったりした寸法を確保したいものです。

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IMG_1755 のコピー上の図は安全な昇降階段の略図です、小学校の階段のように、しっかりとした踊り場を計画するのが安全とされています。

ひとたび転落事故が発生すれば、単なる骨折では済まされない場所です、しっかりとした計画としたいものです。

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建築基準法において、床の高さは原則地盤面から450mm以上と定められています、この段差をスロープで計画した場合、介助者や自走車いす使用者が無理のない勾配である1/15とすると6.750mmの長さが必要となります。

これを解決する手段の一つに「段差解消機」があります、昨今、介護保険でもレンタルもはじまり、平らな土間と電源さえあれば使う事も容易です。

写真はレンタルです、ストロークは450mmです、土間コンと電源工事は介護保険対象外となり自己負担です、元々腰窓を掃出し窓として整備しました。

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