著者アーカイブ: 伊東誠三

浴室では、手すり1本付けるにも、ご本人の身体状況や、残存能力、また介護力などを勘案して設置しますが、それぞれの家の実情(浴室状況)に合わせたものが求められます。

玄関や廊下、トイレに設置する手すりとは違い、浴室の手すり設置においては洗体動作、浴槽への出入り動作のプロセスなど、狭い空間だから検討する課題は沢山あります、一般に浴室への手すり設置内容を決定するには時間がかかるものです、入浴動作は冒頭お話しした身体状況や残存能力、介護力、或はシャワー椅子の使用の可否によって設置する内容が変わってきます。

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写真は浴室へ設置した「特注手すり」です、TOTOさんで製作してくれます、どうしてもこの位置にといった要望に対し、建築で可能な事を検討しなくてはいけません。

たかが手すり1本でと思われるかもしれませんが、人の手を借りず、1本で本人が出来る事は沢山あります。

「いつまでも、あなたを守る家をつくる」

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山梨県甲府市国母2-4-1

TEL055-228-8191

60歳男性です、交通事故により下肢全廃となりました、数ヶ月の入院を経て、いよいよ自宅へ帰るという時に、病院からの改修工事の依頼でした、家ではベッド上の生活です。

ご本人や家族の希望は、自宅の居間にで3モーターベットを使って生活したい、入浴も家で入りたいというものでした、主介護者は奥様です。

建物を見させて頂きました、築40年と古いばかりか、水回りも老朽化しており、全体的な補強も必要であり、安心安全な生活空間形成には「福祉用具の利用と建築」の両面と「人的支援」からの検討が必要である事が判断されました。

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写真は既存の浴室です、手前に脱衣室もなく寒い空間です、入り口も木製建具です。

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1坪サイズ(1616)のユニットバスです、洗い場カウンターのない(少しでも広く使える)クリナップのユニットを提案しました、また本人の浴槽へ浸かりたいという希望を叶えるために、家族でも安心して使えるリフトと、分離型のシャワー椅子をお進めしました。

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このシャワー椅子は、車輪部分と椅子部分が切り離されます、椅子部分だけをベルトで吊って浴槽へ入れます(写真はその数年後に新築したときの写真です)ベッドからはスリングシートで体を吊り上げ、そのままシャワー椅子で浴室へ移動します、入り口も引き戸として、最大限の開口巾(700mm)を確保しました。

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改修工事とは言え、人間を吊ります、リフトの壁へのアンカー固定も必須です、建築で出来る事はここまでです、安心した入浴は、訪問看護師さんやヘルパーさんなどの「人的支援」も欠かせません。

リフトは(株)モリトーつるべと安楽キャリーです。

これでまたひとつみんなの笑顔が増えました。

 

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家の出入りは玄関からというのが「一般的」ですが、段差がきつかったり、狭かったりなどの事情から別な場所からの出入りを余儀なくしている方も沢山いらっしゃいます。

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上の写真は、それまで駐車場から近いという理由から、直接寝室へ出入りしようと試みようとして、土を盛ってスロープとして使っていました、不安定に見えますが、ご本人はこれでなんとか出入りを続けていました、今回病院からの相談で、もっと安全に出入りできる方法で、しかも介護保険が適用出来るようにしてほしいというご内容でした。

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まずスペースは確保出来るので、土間コンを打設し、その上にイレクターで特注した手すり付きの階段を設置しました、一段の蹴上げ(高さ)は110mm、踏み面(巾)を300mmとした緩やかな階段です、更に両側へ手すりを設置しました、土間コンへアンカー固定をしまして介護保険が適用となります。

これでご本人も家族も安心した出入りが可能となりました。

 

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昭和町立常永小学校のスロープ工事です、「低学年の生徒さんが、自走式車いすでスムーズに昇降出来るように」というご相談でした。

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先生方から本人の状況を聞いたり、本人の生活ぶりを見ると共に、現場の昇降口の状況から判断したところ、昇降に必要なスロープ長さや巾などは十分に確保できる事が分かりました。

スロープ巾は、有効で1.000mmとし、スロープ長さは6.000mm、上り口位置が高いため高低差は300mmと、ゆったりとした1/20勾配で計画することが出来ました。

工事開始です、インターロッキングを撤去するところから始まります。

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横から見ると、なだらかなスロープです。

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下から見るとこんな状況です、手すりは高さ600mmで設置しました、これは転落防止柵です。

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完成しました、本人や教育委員会の検査も終了です、ばっちり使えています。

浴室やトイレに設置する立ち上がり動作を補助する手すりや、廊下など移動のための長い手すりや屋外アプローチ手すりなど、様々な機能のある手すりがあります。

こうした手すり工事において、階段手すりなど、不連続な形状の手すり工事を除き、設置工事は基本的に一人で行います。

当然ですが、手すりは垂直だったり水平にしかも正確に取り付けなくてないけません、従来は水平器などが使われる事が一般的ですが、左手で持ちながら右手でインパクトドリルでの作業は少々困難となる事があります。

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これだと、不安定ばかりか水平器が床に落ちてしまうこともあり、作業性は劣ってしまいます。

そこで、最近登場したのがこれ

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グリップ式水平器です、その名も「ガブリ」だそうで、これなら作業性も高まるばかりか、両手だけあれば正確に施工する事が出来ます。

介護保険を使った住宅改修工事の多くは(ほとんどが)必ずといって良いほど「手すり工事」は必須です、正しい施工が望まれます。

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今日は心も体も温まる浴室についてお話します。

我が国の主要な死因は、悪性腫瘍、心疾患、脳血管障害、高齢者では肺炎がこれに続き、交通事故や入浴中に起こった心・脳疾患の発作や溺死など不慮の事故などによるものが第5位となります。
高齢者の入浴行為においては気温、室温、湯温などの温度や水圧の影響を受けて心・血管反応や発作が起こり、意識障害が現れ、そのため溺死事故も発生するため注意が必要です。

しかし入浴は体を温める事やリラックスして入浴を楽しむ事で、心身共に良い影響を与えます。

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写真は改修前と完成写真です、既存の浴槽は900mm×700mmで深さもある和式浴槽です、跨いで入るにも、足腰に負担もかかるばかりか、タイル貼りで冷たく狭くて、介助入浴や入浴椅子などは使えない、昭和40年代に作られた浴室の典型です。

最近では浴槽縁も出入り用に掴まりやすい様巾も狭く、低く設計してある物や、タッチスイッチで快適なシャワーカラン、雨の日に洗濯物も干せる天井埋込型の換気暖房乾燥機、お湯の温度が冷めないように工夫された断熱機能を持たせ手すりも付き、予め工場生産された合理的なユニットバスも数多くのメーカーから出されています。

一般に日本人は風呂好きな国民で、しかも熱めのお湯を好む傾向にあると言われます、特にこの寒い時期に冷えた体をゆっくり温める事は一日の疲れを癒し心身をリフレッシュするのに最高の方法です。

ちょっとした工夫や注意でこうした家庭内事故を防ぎたいものです。

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階段は唯一「段差解消」が出来ない所ですが、家の中でも転落でもすれば大変な事故になる場所の一つです、多くの高齢者が住む家では、物が増え更に整理が出来ていないために障害となっているケースが数多くあります。

階段の形状にはいくつかの形があり、それぞれ使い勝手が異なります、一般に一番安全と言われるのが踊り場をしっかりとしたスペースをとれる形状がおすすめです、これは下までの転落を防止するために考えられています、また蹴上げ(一段の高さ)や踏み面にもゆったりした寸法を確保したいものです。

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IMG_1755 のコピー上の図は安全な昇降階段の略図です、小学校の階段のように、しっかりとした踊り場を計画するのが安全とされています。

ひとたび転落事故が発生すれば、単なる骨折では済まされない場所です、しっかりとした計画としたいものです。

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建築基準法において、床の高さは原則地盤面から450mm以上と定められています、この段差をスロープで計画した場合、介助者や自走車いす使用者が無理のない勾配である1/15とすると6.750mmの長さが必要となります。

これを解決する手段の一つに「段差解消機」があります、昨今、介護保険でもレンタルもはじまり、平らな土間と電源さえあれば使う事も容易です。

写真はレンタルです、ストロークは450mmです、土間コンと電源工事は介護保険対象外となり自己負担です、元々腰窓を掃出し窓として整備しました。

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従来、日本家屋の多くには「引き戸」が多用されていましたが、西洋文化の影響もあり、現在では「室内開きドア」はもはや一般的となりました。

誰もが年齢を重ねると、身体機能、とりわけ足腰や目など様々な運動機能が低下していきます、

介護保険の住宅改修の費目は、和風便器から洋便器の取替を除き、手すりの設置や床の滑り防止、段差解消など「室内移動」に主眼があるように思えます、

今日紹介するドアから引き戸への取替工事も介護保険の対象となる工事です。

既存のドアを外し、廊下側の壁に沿って動きます、上吊式なので大変軽く便利な引き戸です。

寸法対応もオーダーですので、引くスペースがあればどこでも設置可能です。

大変喜ばれる工事の一つです

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在宅介護においいては、様々な福祉用具が使われます。

入浴、排泄、就寝、食事、家の出入りなど、様々な場面の中において、排泄行為はまったありません、「トイレには這ってでも行きたい」、でも夜間など一人では無理となると、ポータブルトイレをな使わなくてはなりません、これを毎日洗浄しようとした場合、あまり語られる事は少ないですが、介助者にとっては大変な作業となります、こうしたお悩みから解放できるように考えられたのが、ケアクリックシャワーです、これはトイレの中へシャワーを設置し、ポータブルトイレの洗浄をここで一気にやってしまおうという「優れもの」です、また利き手側でシャワーを持ちたいため、シャワーフックは右側設置としました、先日設置した85歳を自宅で介護している奥様には、大変喜んで頂きました。

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